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最新の血液疾患解説Comments on Hematology

特集B細胞リンパ腫をめぐる最新トピックスCAR-T療法や新規治療薬による治療成績向上への期待(4)B細胞リンパ腫は、患者数においてリンパ腫全体の3分の2以上を占め、血液内科医が診療する機会が多い疾患群であろう。ここでは、新規治療薬を中心としたトピックスに焦点を当て、それぞれの専門家に解説していただいた。まず、DLBCLのサブタイプの一つで予後不良とされるダブルヒットリンパ腫の分子病態とその治療の可能性、そして濾胞性リンパ腫に対する新規抗CD20抗体薬のオビヌツズマブの位置づけについての解説。次に、新しいWHO分類で遺伝子変異が診断に取り入れられ、わが国では適応外ながらブルトン型チロシンキナーゼ阻害薬により治療体系が変わりつつある原発性マクログロブリン血症についての解説。最後に、最近、わが国で承認された新規治療薬から、再発・難治性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対するCD19標的CAR-T療法である。いずれも血液内科医として知っておくべき重要なトピックスであろう。(責任編集 伊豆津宏二)

DLBCLに対するCAR-T療法の実際と今後の展望
症例を積み重ね、未来へつなげる

後藤秀樹(北海道大学病院 血液内科)

今年5月に、キメラ抗原受容体T細胞療法(CAR-T療法)が、再発・難治性のCD19陽性B細胞性急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)と、再発・難治性のCD19陽性びまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に対する薬剤として保険適用となった。再発・難治性の造血器腫瘍に対する効果が期待される一方、3,349万円という過去最高の薬価となったことから、その費用対効果の評価に注目が集まっている。ここでは、CAR-T療法の実際とこれまでの臨床試験の結果を踏まえ、将来を展望する。