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血液学の最新論文(2018年8月リリース分)すべて見る

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この論文に注目!Focus on
2018年9月の注目論文(Vol. 1) 2018年9月の注目論文(Vol. 1)伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)2018.09.14血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年9月分(Vol. 1)は、伊豆津宏二氏が担当します。
学会レポートCongress Report
輸血による鉄過剰症は、M2型マクロファージの分化を促進し、感染症に対する自然免疫応答を鈍らせる EHA2018レポート②-4 Presidential Symposium EHA2018のPresidential Symposiumでは、Best Abstractsとして選ばれた6演題の発表があった。その中から、特に注目を集めた4演題について紹介する。輸血による鉄過剰症は、M2型マクロファージの分化を促進し、感染症に対する自然免疫応答を鈍らせるFrancesca Vinchi(Iron Research Program, New York Blood Center, New York, United States)2018.09.06米国・New York Blood CenterのFrancesca Vinchi氏は、異なる状況下の鉄過剰状態がマクロファージに及ぼす影響に関して発表し、「輸血によって引き起こされる鉄過剰症は、M2型マクロファージの分化を促進し、その結果、感染症に対する免疫応答が弱まるとともに、臓器障害につながる可能性がある」と述べた。
学会レポートCongress Report
未治療の進行期濾胞性リンパ腫に対する、レナリドミド+リツキシマブ併用療法はリツキシマブ+化学療法の有効性と同等 EHA2018レポート②-3 Presidential Symposium EHA2018のPresidential Symposiumでは、Best Abstractsとして選ばれた6演題の発表があった。その中から、特に注目を集めた4演題について紹介する。未治療の進行期濾胞性リンパ腫に対する、レナリドミド+リツキシマブ併用療法はリツキシマブ+化学療法の有効性と同等Frank Morschhauser(Department d' Hematologie, Centre Hospitalier Universitaire Régional de Lille, Unité GRITA, Lille, France)2018.09.06RELEVANCE試験は、未治療の濾胞性リンパ腫(FL)に対し、従来の標準的治療法であるリツキシマブ+化学療法の併用療法(R-chemo療法)後にリツキシマブ維持療法を行なう群と、化学療法を用いず免疫調整薬のレナリドミド+リツキシマブの併用療法(R2療法)後にリツキシマブ維持療法を行なう群の有効性および安全性を比較検討する大規模多施設共同無作為臨床試験で、日本を含む世界10カ国137施設が参加している。
気鋭の群像Young Japanese Hematologist
“疾患特異的マクロファージ”を同定 線維化した細胞を標的とした創薬へ(後編) “疾患特異的マクロファージ”を同定 線維化した細胞を標的とした創薬へ(後編)佐藤荘(大阪大学 微生物病研究所 自然免疫学分野)2018.09.06研究テーマは、マクロファージが複数種類あることの証明、そしてそれらがどのように生まれて生体内で働いているのかを解明し、各マクロファージサブタイプと疾患の関係性を明らかにすることとしました。最初の研究では、寄生虫に感染した際のエピジェネティックな遺伝子制御、アレルギー型マクロファージへの分化の分子機構、そして宿主の感染応答に焦点を当てました。
血液学のクロスワードパズルHematoPuzzle
HematoPuzzle #2 史上初!?血液学のクロスワードパズルHematoPuzzle #22018.09.06息ぬきにいかがでしょうか?
Hematopaseoからのお知らせInformation
「Hematopaseo」第2号(無料)のお届けについて 「Hematopaseo」第2号(無料)のお届けについて2018.09.06Hematopaseoでは2018年8月24日までに会員にご登録いただき、かつ情報誌の発送をご希望されたみなさまに、「Hematopaseo」第2号を発送いたします(9月初旬予定)。
気鋭の群像Young Japanese Hematologist
“疾患特異的マクロファージ”を同定 線維化した細胞を標的とした創薬へ(前編) “疾患特異的マクロファージ”を同定 線維化した細胞を標的とした創薬へ(前編)佐藤荘(大阪大学 微生物病研究所 自然免疫学分野)2018.08.30自然免疫の中で重要な役割を果たしているマクロファージ。発見されてから100年以上もの間マクロファージは1種類しかないとされてきたが、大阪大学微生物病研究所自然免疫学分野の佐藤荘氏は、体内には複数種類のマクロファージ(疾患特異的マクロファージ)が存在することを明らかにした。
学会レポートCongress Report
未治療のCLLに対するオビヌツズマブ+chlorambucil併用 リツキシマブ+chlorambucilに比して有意にOSを改善 EHA2018レポート②-2 Presidential Symposium EHA2018のPresidential Symposiumでは、Best Abstractsとして選ばれた6演題の発表があった。その中から、特に注目を集めた4演題について紹介する。未治療のCLLに対するオビヌツズマブ+chlorambucil併用 リツキシマブ+chlorambucilに比して有意にOSを改善Valentin Goede(German CLL Study Group, Department I of Internal Medicine, Center of Integrated Oncology, University Hospital, Cologne, Germany;Oncogeriatric Unit, Department of Geriatric Medicine,St Marien Hospital,Cologne,Germany)2018.08.23ドイツUniversity Hospital CologneのValentin Goede氏は、併存疾患を有する慢性リンパ性白血病(CLL)を対象に実施されたCLL11試験の最終解析を発表し、オビヌツズマブ+chlorambucil併用群は、リツキシマブ+chlorambucil併用群と比較して有意に全生存率(OS)を改善することを示した。
学会レポートCongress Report
2つの抗原を標的とするCLL1-CD33 CAR-T細胞療法 再発・難治性AML患者に対する臨床成績は良好 EHA2018レポート②-1 Presidential Symposium EHA2018のPresidential Symposiumでは、Best Abstractsとして選ばれた6演題の発表があった。その中から、特に注目を集めた4演題について紹介する。2つの抗原を標的とするCLL1-CD33 CAR-T細胞療法 再発・難治性AML患者に対する臨床成績は良好Fang Liu(Department of Hematology, Chengdu Military General Hospital, Chengdu, China)2018.08.23中国のChengdu Military General HospitalのFang Liu氏らは、CD33とCLL-1の2つの抗原を標的とした異なるscFvドメインを有する画期的なCAR-T細胞を開発した。CD33は多くのAMLで陽性を示す骨髄系マーカーであり、一方のCLL-1は、AMLの発症と進行に重要な役割を果たす白血病幹細胞に特異的なマーカーで、正常細胞には発現がみられない。Fang Liu氏は、「これら2つの異なる抗原をターゲットとすることで、白血病細胞と白血病幹細胞を同時に攻撃することができるため、高い有効性が期待できかつ再発率も減らせると考えている」と述べた。
この論文に注目!Focus on
2018年8月の注目論文(Vol. 2) 2018年8月の注目論文(Vol. 2)木崎昌弘(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授)2018.08.23血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年8月分(Vol. 2)は、木崎昌弘氏が担当します。
学会レポートCongress Report
再発・難治性多発性骨髄腫に対するエロツズマブ+Pd療法がPFSを延長 EHA2018レポート①-2 Late-Breaking Oral Session EHA2018の最終日に行なわれたLate-Breaking Oral Sessionでは、わが国の施設も参加した臨床研究の結果が2題、報告された。一つは発作性夜間血色素尿症(PNH)の治療に用いられるエクリズマブの後継薬となるRavulizumabについての、エクリズマブに対する非劣性試験の結果、もう一つは、再発・難治性多発性骨髄腫に対し、ポマリドミドと低用量デキサメタゾンの併用療法(Pd療法)と、それにエロツズマブを加えたEPd療法の治療成績を比較した臨床試験の結果である。この2演題について紹介する。再発・難治性多発性骨髄腫に対するエロツズマブ+Pd療法がPFSを延長Meletios Dimopoulos(National and Kapodistrian University of Athens, Athens, Greece)2018.08.09再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対し、近年、免疫調節薬やプロテアソーム阻害薬で多くの新規薬剤が登場し、それらによる救援療法や様々な併用療法が行なわれているが、その成績は決して良好とはいえない。
学会レポートCongress Report
PNHへの8週間隔のravulizumab投与は2週間隔のエクリズマブ投与に対し非劣性 EHA2018レポート①-1 Late-Breaking Oral Session EHA2018の最終日に行なわれたLate-Breaking Oral Sessionでは、わが国の施設も参加した臨床研究の結果が2題、報告された。一つは発作性夜間血色素尿症(PNH)の治療に用いられるエクリズマブの後継薬となるRavulizumabについての、エクリズマブに対する非劣性試験の結果、もう一つは、再発・難治性多発性骨髄腫に対し、ポマリドミドと低用量デキサメタゾンの併用療法(Pd療法)と、それにエロツズマブを加えたEPd療法の治療成績を比較した臨床試験の結果である。この2演題について紹介する。PNHへの8週間隔のravulizumab投与は2週間隔のエクリズマブ投与に対し非劣性Jong Wook Lee(Department of Hematology, Seoul St. Mary’s Hospital, College of Medicine, The Catholic University of Korea, Seoul, Korea, Republic Of)2018.08.09発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体のエクリズマブの登場により、血管内溶血が比較的コントロール良好となり、血栓症など溶血に伴う様々な臨床症状への効果も期待されている。その後継薬であるravulizumabについて、エクリズマブとの非劣性比較が、25カ国の国際共同第Ⅲ相臨床試験として実施され、ravulizumabがエクリズマブに対し非劣性であったとの報告が、韓国のJong Wook Lee氏により行なわれた。
この論文に注目!Focus on
2018年8月の注目論文(Vol. 1) 2018年8月の注目論文(Vol. 1)宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)2018.08.09血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年8月分(Vol. 1)は、宮﨑泰司氏が担当します。
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沖縄での移植存続をかけ新たに体制整備 多職種連携で「島で治したい」思いに応える(後編) 沖縄での移植存続をかけ新たに体制整備 多職種連携で「島で治したい」思いに応える(後編)社会医療法人かりゆし会 ハートライフ病院(沖縄県中頭郡中城村)2018.08.09ハートライフ病院でも他地域と同様、血液内科の患者は高齢者が多く、治療後寛解を得た患者をどのように施設や自宅に安全に戻し、そこで必要な医療をどう提供するのかが課題になっている。在宅治療では、地域の医師やケアマネジャー、ヘルパーなどとの連携と情報共有が欠かせない。
最新の血液疾患解説Comments on Hematology
再生不良性貧血の早期診断と新規治療法 特集分子病態の解明が進む骨髄不全症難治性貧血の診断・治療の最新動向(1)近年、次世代シークエンサーによる網羅的ゲノム解析などにより骨髄不全症についての分子病態の解明が進み、その知見が診断に反映されるようになってきた。さらに、新規治療薬が次々と登場し、これまで限られた選択肢しかなかった骨髄不全症の治療の選択肢が広がっている。ここでは「再生不良性貧血」、「骨髄異形成症候群」、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」、「赤芽球癆」の診断と治療について、各疾患の専門家に最新の情報をもとに分かりやすく解説していただいた。(責任編集 張替秀郎)再生不良性貧血の早期診断と新規治療法山﨑宏人(金沢大学附属病院 輸血部)2018.08.02「再生不良性貧血診療の参照ガイド」2018年改訂を反映しました

再生不良性貧血(AA)では、移植非適応の未治療患者に対する標準治療として、抗胸腺細胞グロブリン+シクロスポリン(CsA)療法が長らく用いられてきた。2017年8月にthrombopoietin受容体作動薬のエルトロンボパグがAAに対し適応追加となり、約20年ぶりの新規治療薬の登場となった。また、同時にCsAの非重症AAへの適応拡大が認められた。これらを受けて、「再生不良性貧血診療の参照ガイド(特発性造血障害に関する調査研究班)」の治療指針が大きく改訂された。ここでは、エルトロンボパグの話題を中心に、AAの早期診断の重要性と重症度基準に基づく治療方針について概説する。