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血液学の最新論文(2023年12月後半〜2024年2月前半分) 会員限定コンテンツになりました。会員登録をお願いします すべて見る

新着記事What's New

あなたはどう考える?みんなはこう考えるClinical Question
症候性骨髄腫に進展した患者に対する初期治療は?Case #08症候性骨髄腫に対する初期治療血液領域の実臨床では、どのように治療方針を立てるべきか判断に迷う場面も多いことでしょう。「あなたはどう考える?みんなはこう考える」は、明確な指針がでていない領域や、新しい研究が次々に発表されつつある領域で、日常診療で判断に迷うようなClinical Questionを専門医に出題いただき、先生方がどのようにお考えになるのかご意見を投票していただくコンテンツです。投票結果とご意見の一覧は、投票期間中と投票締め切り後にご覧いただけます。症候性骨髄腫に進展した患者に対する初期治療は?出題・解説:柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科科長/輸血療法部長)2024.03.14投票受付中第8回目は、国立病院機構 大阪医療センター 柴山先生に「症候性骨髄腫に進展した患者に対する初期治療」について出題していただきました。多くの先生方のご投票とご意見の投稿をお待ちしています。
学会レポートCongress Report
再び掲げる「生きたいに応える責任」 開催中止から4年、新たな企画が満載に第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会のみどころ再び掲げる「生きたいに応える責任」 開催中止から4年、新たな企画が満載に2024.03.14第46回日本造血・免疫細胞療法学会総会が、2024年3月21~23日、東京・千代田区の東京国際フォーラムで開催される。学会総会のテーマは「〈生きたい〉に応える責任〜今、再び問う〜」。会長を務める谷口修一氏(国家公務員共済組合連合会 浜の町病院病院長)は、2020年3月開催予定の第42回総会の会長を務めたが、新型コロナウイルス感染症の蔓延のため直前に中止となった。
この論文に注目!Focus On
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2024年3月の注目論文(Vol. 1)2024年3月の注目論文(Vol. 1)宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)2024.03.14血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年3月分(Vol. 1)は、宮﨑泰司氏が担当します。
学会レポートCongress Report
未治療CLLに対するイブルチニブとベネトクラクス MRDを指標とした投与期間延長によりPFS、OSを延長ASH2023注目テーマ⑩ 注目演題「#631」未治療CLLに対するイブルチニブとベネトクラクス MRDを指標とした投与期間延長によりPFS、OSを延長Peter Hillmen(Leeds Institute of Medical Research, St. James's University Hospital, Leeds, UK)2024.03.07未治療の慢性リンパ性白血病(CLL)患者に対するBTK阻害薬イブルチニブとBCL2阻害薬ベネトクラクスの併用(I+V)投与の有用性は、in vitro研究と臨床第Ⅱ相試験で裏付けられている。この2剤の投与期間を、測定可能残存病変(MRD)を指標として最適化することで、フルダラビン+シクロホスファミド+リツキシマブを併用するFCR療法より、無増悪生存期間(PFS)と全生存期間(OS)を有意に延長できることが、臨床第Ⅲ相試験で明らかとなった。
学会レポートCongress Report
多発性骨髄腫のリアルワールドにおける標準治療の「有効性」を無作為化第III相試験の「効果」と比較ASH2023注目テーマ⑨ 注目演題「#541」多発性骨髄腫のリアルワールドにおける標準治療の「有効性」を無作為化第III相試験の「効果」と比較Alissa Visram(Division of Hematology, The Ottawa Hospital Research Institute, Ottawa, ON, Canada)2024.03.07カナダ・オンタリオ州The Ottawa Hospital Research InstituteのAlissa Visram氏らは、オンタリオ州で保険承認されている移植非適応の新規診断(ND)および再発・難治性(RR)多発性骨髄腫(MM)に対するSoCレジメンのefficacyとeffectivenessの差(efficacy-effectiveness gap)を評価し、RRMMに対するポマリドミド+デキサメタゾン(Pd)を除く6つのレジメンで、RWコホートではRCTコホートと比較して無増悪生存期間(PFS)が3〜18.3カ月、全生存期間(OS)が19カ月以上短かったことを報告した。
学会レポートCongress Report
NPM1変異陽性AMLに対するCR1での同種移植 FLT3-ITD変異にかかわらずMRD陽性例で有用ASH2023注目テーマ⑧ 注目演題「#425」NPM1変異陽性AMLに対するCR1での同種移植 FLT3-ITD変異にかかわらずMRD陽性例で有用Jad Othman(Department of Medical and Molecular Genetics, King's College London, London, United Kingdom)2024.02.29NPM1遺伝子変異のある急性骨髄性白血病(AML)患者のうち、寛解導入療法後の第一寛解期に測定可能残存病変(MRD)陽性の患者に対する同種造血幹細胞移植は、生存率を改善するが、MRD陰性患者では移植の有用性は認められなかった。また、FLT3-ITD変異の有無はこれらの生存率に影響しないことも明らかになった。
学会レポートCongress Report
CD19標的CAR-T細胞療法は自己免疫疾患患者の症状を改善し、忍容性も良好ASH2023注目テーマ⑦ 注目演題「#220」CD19標的CAR-T細胞療法は自己免疫疾患患者の症状を改善し、忍容性も良好Fabian Müeller(Department of Hematology and Oncology, University Hospital of Erlangen, Germany)2024.02.29CD19を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞は、全身性エリテマトーデス(SLE)や特発性炎症性筋炎(IIM)、全身性強皮症(SSc)といった自己免疫疾患に対し、良好な忍容性と持続的な症状改善を示すことが、15人の患者を対象とした最初の研究で明らかになり、ドイツ・University Hospital of ErlangenのFabian Müeller氏が報告した。
気鋭の群像Young Japanese Hematologist
憧れの臨床医から米国留学を経て基礎研究の道に 国立がん研究センターで新天地を切り拓く(後編)憧れの臨床医から米国留学を経て基礎研究の道に 国立がん研究センターで新天地を切り拓く(後編)武藤朋也(国立がん研究センター研究所 がんRNA研究分野 主任研究員)2024.02.292015年4月に妻と5歳の娘とともに米国に渡り、シンシナティ小児病院医療センターでの研究生活が始まりました。当初は3〜4年の留学のつもりでしたが、形にしたい複数のプロジェクトに携わることができたため、2020年2月まで約5年間米国に滞在し、最終的には4つの研究成果をまとめることができました。
この論文に注目!Focus On
会員限定コンテンツになりました。すべてお読みいただくには会員登録をお願いします。2024年2月の注目論文(Vol. 2)2024年2月の注目論文(Vol. 2)大西康(東北大学大学院 医学系研究科 血液内科学分野 講師)
張替秀郎(東北大学大学院 医学系研究科 血液内科学分野 教授)
2024.02.29血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年2月分(Vol. 2)は、大西康氏と張替秀郎氏が担当します。
学会レポートCongress Report
移植適応新規MMに対する、Isa-KRd療法による導入療法と地固め療法ASH2023注目テーマ⑥ 注目演題「#4」移植適応新規MMに対する、Isa-KRd療法による導入療法と地固め療法Francesca Gay(Division of Hematology, Department of Molecular Biotechnology and Health Sciences, University of Torino, Torino, Italy)2024.02.22イタリア・トリノ大学のFrancesca Gay氏は、ASCT前導入療法およびASCT後地固め療法として、カルフィルゾミブ・レナリドミド・デキサメタゾン(KRd)療法と、KRd療法にイサツキシマブ(Isa)を追加したIsa-KRd療法を比較し、有用性を評価した臨床第Ⅲ相試験であるIsKia試験の結果を報告した。
学会レポートCongress Report
再発・難治性cGVHDに対する抗CSF-1R抗体axatilimabの有用性ASH2023注目テーマ⑤ 注目演題「#1」再発・難治性cGVHDに対する抗CSF-1R抗体axatilimabの有用性Daniel Wolff(University Hospital Regensburg, Regensburg, Germany)2024.02.22慢性移植片対宿主病(cGVHD)に対して、コロニー刺激因子1受容体(CSF-1R)依存性の単球とマクロファージを標的とする抗CSF-1Rモノクローナル抗体axatilimab(SNDX-6352)は有効であることが、3つの用量を検討した多施設共同非盲検無作為化比較第II相試験AGAVE-201で明らかになり、ドイツ・University Hospital RegensburgのDaniel Wolff氏が報告した。
気鋭の群像Young Japanese Hematologist
憧れの臨床医から米国留学を経て基礎研究の道に 国立がん研究センターで新天地を切り拓く(前編)憧れの臨床医から米国留学を経て基礎研究の道に 国立がん研究センターで新天地を切り拓く(前編)武藤朋也(国立がん研究センター研究所 がんRNA研究分野 主任研究員)2024.02.22病院で働く医師に憧れ、血液内科医としてキャリアを重ねたのち、大学院で基礎研究に打ち込んだことで、進路が変わり始めた武藤朋也氏。5年間の米国留学を終え、一旦は大学の助教として臨床・教育・研究に取り組んだが、研究に打ち込める環境を選び、2023年4月に国立がん研究センター研究所の主任研究員として新たな道を歩み始めた。焦り過ぎず、しかし早期に研究成果を出したいと抱負を語る。
学会レポートCongress Report
KMT2A遺伝子再構成のある再発・難治性急性白血病でメニン阻害薬revumenibの有効性を確認ASH2023注目テーマ④「Late-Breaking Abstracts Session #5」KMT2A遺伝子再構成のある再発・難治性急性白血病でメニン阻害薬revumenibの有効性を確認Ibrahim Aldoss(City of Hope National Medical Center, Duarte, USA)2024.02.15KMT2A遺伝子再構成を有する再発・難治性(R/R)急性白血病患者に対するメニン阻害薬revumenibの有効性と安全性について、第II相試験AUGMENT-101の中間解析の結果が、米・City of Hope National Medical CenterのIbrahim Aldoss氏から報告された。
学会レポートCongress Report
重症の鎌状赤血球症に対するハプロ移植 HLA一致の骨髄移植と2年EFSは同等ASH2023注目テーマ③「Late-Breaking Abstracts Session #4」重症の鎌状赤血球症に対するハプロ移植 HLA一致の骨髄移植と2年EFSは同等Adetola A. Kassim(Department of Medicine, Division of Hematology-Oncology, Vanderbilt University Medical Center, Nashville, USA)2024.02.15重症の成人鎌状赤血球症(SCD)患者に対する、移植後シクロホスファミド(PTCy)を用いたHLA半合致血縁者間移植(ハプロ移植)は、骨髄破壊的前処置によるHLA合致血縁者ドナー(MSD)からの骨髄移植との比較で、2年後の無イベント生存率(EFS)が同等であることが報告された。
学会レポートCongress Report
再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス イブルチニブ単独よりPFS、CR率を改善ASH2023注目テーマ②「Late-Breaking Abstracts Session #2」再発・難治性MCLに対するイブルチニブ+ベネトクラクス イブルチニブ単独よりPFS、CR率を改善Michael Wang(Department of Lymphoma and Myeloma, The University of Texas MD Anderson Cancer Center, Houston, USA)2024.02.08再発・難治性マントル細胞リンパ腫(MCL)に対し、ブルトン型チロシンキナーゼ(BTK)阻害薬のイブルチニブとBCL-2阻害薬のベネトクラクスを併用することで、イブルチニブ単独より無増悪生存期間/率(PFS)を改善するとの臨床試験結果が示された。これは、多施設ランダム化二重盲検臨床第Ⅲ相試験SYMPATICOの結果で、報告した米国・MDアンダーソンがんセンターのMichael Wang氏は「この併用療法は、再発・難治性MCLの新たな標準治療になるだろう」と述べた。