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学会レポートCongress Report

JSHCT2018レポート(4)-2

シンポジウム3 SY3-2Innovative Concepts to Maximize Patient Outcome MRD陰性を治療の目標に
多くの新薬が臨床導入された現在も、移植の役割は大きい Autotransplant in the Era of Novel Agents in Myeloma

Meletios A. Dimopoulos(Department of Clonical Therapeutics, the National and Kapodistrian University of Athens, School of medicine, Greece)

近年、多発性骨髄腫(MM)の治療は、新規治療薬の相次ぐ登場により大きく進展し、移植可能な患者に対しては造血幹細胞移植を組み合わせることにより、高感度なPCR法(検出感度10-4~10-5)を用いても、微小残存病変(minimal residual disease:MRD)が検出できない分子遺伝学的完全奏効(molecular complete response:mCR)が達成できるようになってきた。ギリシャ the National and Kapodistrian University of AthensのMeletios A. Dimopoulos氏は、従来の免疫固定法によってCRと判断された患者の約半数はMRDが陽性であり、MRD陽性と陰性では全生存率(OS)と無増悪生存期間(PFS)に有意差を認めたとの臨床成績を示し、これからはMRD陰性を目標に治療を行うべきであると述べた。