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学会レポートCongress Report

ASH2020注目テーマ 「日本の臨床試験」#45ASH2020では、日本人を対象としたわが国の研究結果も報告された。ここでは初発慢性期の成人慢性骨髄性白血病に対するチロシンキナーゼ阻害薬による分子遺伝学的完全寛解の達成率の検討結果、急性骨髄性白血病におけるFLT3変異の次世代シークエンサーによる包括的解析結果、ASXL1変異と低リスクMDS患者におけるダルベポエチンαへの反応不良の関連についての検討結果を紹介する。

初発未治療の慢性期CMLのTKIの効果
ニロチニブとダサチニブはほぼ同じ Nilotinib Vs. Dasatinib in Achieving MR for Newly Diagnosed Chronic MyeloidLeukemia: Results of the Prospective Randomized Phase 3 Study, JALSG CML212

松村到(近畿大学 医学部 血液・膠原病内科)

初発未治療で慢性期の慢性骨髄性白血病(CML-CP)に対する、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)のニロチニブとダサチニブによる分子遺伝学的完全寛解の達成率を比較した結果、両剤の効果はほぼ同等であることが明らかになった。これは、成人白血病治療共同研究支援機構(JALSG)が行なった多施設共同前方視的ランダム化比較試験JALSG-CML212の結果で、研究事務局を務めた近畿大学医学部血液・膠原病内科の松村到氏が報告した。