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2021年10月の注目論文(Vol. 2)

木崎昌弘(埼玉医科大学総合医療センター 血液内科 教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年10月分(Vol. 2)は、木崎昌弘氏が担当します。

Daratumumab-Based Treatment for Immunoglobulin Light-Chain Amyloidosis

N Engl J Med. 2021 Jul 1;385(1):46-58. doi: 10.1056/NEJMoa2028631.

Kastritis E, Palladini G, Minnema MC, Wechalekar AD, Jaccard A, Lee HC, Sanchorawala V, Gibbs S, Mollee P, Venner CP, Lu J, Schönland S, Gatt ME, Suzuki K, Kim K, Cibeira MT, Beksac M, Libby E, Valent J, Hungria V, Wong SW, Rosenzweig M, Bumma N, Huart A, Dimopoulos MA, Bhutani D, Waxman AJ, Goodman SA, Zonder JA, Lam S, Song K, Hansen T, Manier S, Roeloffzen W, Jamroziak K, Kwok F, Shimazaki C, Kim JS, Crusoe E, Ahmadi T, Tran N, Qin X, Vasey SY, Tromp B, Schecter JM, Weiss BM, Zhuang SH, Vermeulen J, Merlini G, Comenzo RL; ANDROMEDA Trial Investigators.

ここに注目!

全身性ALアミロイドーシスは、全身の臓器障害を伴い、特に心病変や腎病変を有する場合の予後は不良であり、時に致死的である。これまでは、臓器機能を温存することを治療目標とし、末梢血幹細胞移植の適応のない患者では、メルファラン/デキサメタゾン療法が推奨されている程度であったが、最近になりボルテゾミブの有用性が報告されるようになった。本論文は、新規全身性ALアミロイドーシス388例を対象とした、ボルテゾミブ/シクロフォスファミド/デキサメタゾン(CyBorD)療法とCyBorDにダラツムマブ(皮下注)を加えたDCyBorD療法とのランダム化比較試験(ANDROMEDA試験)の報告である。主要評価項目は、国際アミロイドーシス統一治療効果判定基準に基づくCR率であるが、皮下注ダラツムマブを加えた方がはるかに奏効するとともに、6カ月時点での心病変や腎病変への反応性も良好であった。この結果を受けて、我が国においても、全身性ALアミロイドーシスに対する皮下注ダラツムマブを用いたDCyBorD療法が承認された。これまで、有効な治療手段がなかった疾患への扉を開いた画期的な臨床試験である。今後は、長期間の観察によるsurvival benefitの有無を明らかにしたい。