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2021年11月の注目論文(Vol. 1)

伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年11月分(Vol. 1)は、伊豆津宏二氏が担当します。

Dose escalation of subcutaneous epcoritamab in patients with relapsed or refractory B-cell non-Hodgkin lymphoma: an open-label, phase 1/2 study

Lancet. 2021 Sep 8:S0140-6736(21)00889-8. doi: 10.1016/S0140-6736(21)00889-8. Online ahead of print.

Hutchings M, Mous R, Clausen MR, Johnson P, Linton KM, Chamuleau MED, Lewis DJ, Sureda Balari A, Cunningham D, Oliveri RS, Elliott B, DeMarco D, Azaryan A, Chiu C, Li T, Chen KM, Ahmadi T, Lugtenburg PJ.

ここに注目!

以前、このコーナーで紹介したglofitamabと同様にCD3✕CD20二重特異性抗体であるepcoritamabの第Ⅰ/Ⅱ相試験のうち、第Ⅰ相の用量漸増パートの結果が報告されている。Epcoritamabには皮下投与という特徴がある。前臨床データでは皮下投与は経静脈投与と比べて持続的なB細胞減少がみられたとともに、サイトカイン濃度の最高値が低く、かつ遅く到達することが分かっており、重症サイトカイン放出症候群(CRS)の発生頻度が減ることが期待されている。患者背景が異なるので、他の二重特異性抗体との比較はできないが、ステロイドを併用しながら低用量から漸増する投与法によりグレード3以上のCRSはみられなかった。Epcoritamab、glofitamabをはじめ各種の二重特異性抗体が再発・難治性DLBCLを対象として開発が進んでいる。現在、再発・難治性DLBCLを対象に、標準的な化学療法とepcoritamabとを比較する第Ⅲ相試験(NCT04628494)が行なわれている。