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2021年11月の注目論文(Vol. 2)

坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年11月分(Vol. 2)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。

CAR T cells with dual targeting of CD19 and CD22 in pediatric and young adult patients with relapsed or refractory B cell acute lymphoblastic leukemia: a phase 1 trial

Nat Med. 2021 Oct;27(10):1797-1805. doi: 10.1038/s41591-021-01497-1. Epub 2021 Oct 12.

Cordoba S, Onuoha S, Thomas S, Pignataro DS, Hough R, Ghorashian S, Vora A, Bonney D, Veys P, Rao K, Lucchini G, Chiesa R, Chu J, Clark L, Fung MM, Smith K, Peticone C, Al-Hajj M, Baldan V, Ferrari M, Srivastava S, Jha R, Arce Vargas F, Duffy K, Day W, Virgo P, Wheeler L, Hancock J, Farzaneh F, Domning S, Zhang Y, Khokhar NZ, Peddareddigari VGR, Wynn R, Pule M, Amrolia PJ.

ここに注目!

これまでにCD19あるいはCD22を標的とするキメラ抗原受容体(CAR)-T細胞は、B-ALLに対して有効であることが報告され、一部は日本国内でも実用化されている。しかしながら、CAR-T細胞療法の治療効果がみられない、あるいは一旦みられた効果が消失してしまう場合があり、原因は標的抗原の発現が低下あるいは喪失するためであると考えられてきた。そこで、二種類の抗原を標的とするCAR-T細胞を開発することで有効性を高めた治療の開発が進められている。
本研究は、CD19とCD22の両方を標的とするCAR-T細胞の臨床開発に関する報告である。再発または難治性のB-ALL(n=15)の小児および若年成人患者を対象に、CD19およびCD22に対する自家CAR-T細胞(AUTO3)を投与する第Ⅰ相試験が行なわれた(AMELIA試験)。主要評価項目としてグレード3以上の毒性および用量制限毒性、副次的評価項目として微小残存病変陰性化、形態学的寛解(完全奏効または不完全な骨髄回復を伴う完全奏効)の割合、有害事象の頻度と重症度、AUTO3の持続期間などが評価された。AUTO3は良好な安全性プロファイルを示し、用量制限毒性、重度のサイトカイン放出症候群・神経毒性は報告されなかった。治療後1カ月時点での奏効割合(完全奏効または不完全な骨髄回復を伴う完全奏効)は86%(15例中13例)、1年後全生存割合と無イベント生存割合はそれぞれ60%と32%であった。微小残存病変陰性化は2カ月時点では13例/15例(86%)で達成された。一方で、18カ月後までに一旦は寛解を達成した13例中9例は再発した。
二種類の抗原を同時に標的とするCAR-T細胞療法は、有望な治療として期待されるが、投与されたAUTO3が体内で持続できないことが再発の原因と推察されることから、この点を改善することが治療効果を高める鍵であると考えられる。