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2021年10月の注目論文(Vol. 1)

宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年10月分(Vol. 1)は、宮﨑泰司氏が担当します。

Genetic identification of patients with AML older than 60 years achieving long-term survival with intensive chemotherapy

Blood. 138(7):507-519

Itzykson R, Fournier E, Berthon C, Röllig C, Braun T, Marceau-Renaut A, Pautas C, Nibourel O, Lemasle E, Micol JB, Adès L, Lebon D, Malfuson JV, Gastaud L, Goursaud L, Raffoux E, Wattebled KJ, Rousselot P, Thomas X, Chantepie S, Cluzeau T, Serve H, Boissel N, Terré C, Celli-Lebras K, Preudhomme C, Thiede C, Dombret H, Gardin C, Duployez N.

ここに注目!

高齢者の急性骨髄性白血病(AML)は一般に予後不良とされるが、その理由としては、加齢に伴う治療関連合併症の増加に加えAMLそのものが治療抵抗性を獲得しているためとされている。しかし、十分な化学療法が実施されれば一定の割合で長期生存例があることも知られている。本研究では、フランスで実施されたALFA1200試験に登録された471例(年齢中央値68歳)を対象に、AML細胞の核型と7遺伝子の変異状況を合わせて強力化学療法が実施された例の層別化を試みた。その結果、予後良好群(go-go group、全体の39.1%)、中間群(slow-go group、53.3%)、不良群(no-go group、7.6%)の2年生存割合はそれぞれ66.1%(59.5-73.3%)、39.1%(33.5-45.7%)、2.8%(0.4-19.2%)であった。このスコアリングは別の3試験でも評価され、いずれも有意に予後を分けることができた。ALFA decision toolと呼ばれるスコアシステムは、高齢者における化学療法適応を考える上で重要と考えられる。