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2021年8月の注目論文(Vol. 1)

坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年8月分(Vol. 1)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。

A variant in human AIOLOS impairs adaptive immunity by interfering with IKAROS

Nat Immunol. 22(7):893-903

Motoi Yamashita, Hye Sun Kuehn, Kazuki Okuyama, Satoshi Okada, Yuzaburo Inoue, Noriko Mitsuiki, Kohsuke Imai, Masatoshi Takagi, Hirokazu Kanegane, Masahiro Takeuchi, Naoki Shimojo, Miyuki Tsumura, Aditya K Padhi, Kam Y J Zhang, Bertrand Boisson, Jean-Laurent Casanova, Osamu Ohara, Sergio D Rosenzweig, Ichiro Taniuchi, Tomohiro Morio

ここに注目!

先天性AIOLOS変異体はIKAROSを阻害することで獲得免疫異常を引き起こす

ヒトの先天性獲得免疫異常のメカニズムについての発見に関する報告。ヘテロ接合性IKZF3ミスセンス変異によって、IKZF3がコードするAIOLOS蛋白のDNA結合部位にグリシンからアルギニンへの置換がみられ、これにより主にB細胞の分化障害がみられた。この変異体をもつマウスでは、B細胞の分化障害がみられる。さらにAIOLOS変異体のホモ二量体およびAIOLOS–IKAROSヘテロ二量体は、いずれも本来AIOLOS–IKAROSが結合するDNA配列には結合せず、本来の結合配列ではないゲノム領域に結合した。AIOLOS変異体に加えて二量体形成に必要な部位を欠損させたマウスでは、B細胞の分化能が回復した。そこから、AIOLOS変異体による獲得免疫異常は、IKAROSの機能をハイジャックすることによって引き起こされることが明らかになった。本研究で明らかにされたヘテロ二量体干渉は、常染色体優性によって免疫異常が引き起こされる新たなメカニズムである。