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2021年7月の注目論文(Vol. 2)

伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年7月分(Vol. 2)は、伊豆津宏二氏が担当します。

Copanlisib plus rituximab versus placebo plus rituximab in patients with relapsed indolent non-Hodgkin lymphoma (CHRONOS-3): a double-blind, randomised, placebo-controlled, phase 3 trial

Lancet Oncol. 2021 Apr 9:S1470-2045(21)00145-5. doi: 10.1016/S1470-2045(21)00145-5. Online ahead of print.

Matasar MJ, Capra M, Özcan M, Lv F, Li W, Yañez E, Sapunarova K, Lin T, Jin J, Jurczak W, Hamed A, Wang MC, Baker R, Bondarenko I, Zhang Q, Feng J, Geissler K, Lazaroiu M, Saydam G, Szomor Á, Bouabdallah K, Galiulin R, Uchida T, Soler LM, Cao A, Hiemeyer F, Mehra A, Childs BH, Shi Y, Zinzani PL.

ここに注目!

再発・難治性濾胞性リンパ腫(FL)に対して、海外ではidelalisib、duvelisib、copanlisib、umbralisibといった4種類のPI3キナーゼ阻害薬が承認されているが、日本では今のところ承認されていない。CHRONOS-3試験は、copanlisib、rituximab併用療法とrituximab、プラセボの併用とを比較する第Ⅲ相試験である。再発・難治性FLを対象としたPI3キナーゼ阻害薬の第Ⅲ相試験は複数行なわれたが、その中で初めてポジティブな結果が得られた。日本での治療にも近々導入されると期待される。Copanlisibでは、他のPI3キナーゼ阻害薬と比較して、免疫関連有害事象とされている腸炎や肺臓炎の頻度は少ないようにみえる。一方、静注薬であることや、PI3キナーゼαサブユニット阻害作用に関連すると考えられている投与後の高血糖や高血圧などの有害事象が多いことに注意が必要である。