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2021年4月の注目論文(Vol. 3)

柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科 科長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年4月分(Vol. 3)は、柴山浩彦氏が担当します。

del(17p) without TP53 mutation confers a poor prognosis in intensively treated newly diagnosed patients with multiple myeloma

Blood. 137(9):1192-1195

Corre J, Perrot A, Caillot D, Belhadj K, Hulin C, Leleu X, Mohty M, Facon T, Buisson L, Do Souto L, Lannes R, Dufrechou S, Prade N, Orsini-Piocelle F, Voillat L, Jaccard A, Karlin L, Macro M, Brechignac S, Dib M, Sanhes L, Fontan J, Clement-Filliatre L, Marolleau JP, Minvielle S, Moreau P, Avet-Loiseau H

ここに注目!

17番染色体短腕の欠失(del(17p))は、MMにおける予後不良の染色体異常としてよく知られているが、残った17番染色体上のTP53遺伝子の変異がある場合(double-hitと呼ばれている)のみ予後不良となると思っていた。本研究では、121例のdel(17p)を有するMM患者のTP53遺伝子変異をNGSで検査し、生命予後との関係を調べている。その結果、del(17p)を有さない2,505例のコホートのOS中央値は152.5カ月であったのに比べ、double-hitは36カ月と最も悪く、del(17p)単独例においても52.8カ月とかなり悪いことが示された。この結果から、通常の診療で判定可能なdel(17p)の患者の予後は、TP53遺伝子変異の有無に関わらず明らかに不良であることが示されており、本異常を有する患者には、既存とは異なる治療戦略が必要と思われる。