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この論文に注目!Focus on

2020年9月の注目論文(Vol. 2)

坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年9月分(Vol. 2)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。

Following-up allogeneic transplantation recipients during the COVID-19 pandemic

Lancet Haematol. 7(8):e564-e565

Lupo-Stanghellini MT, Messina C, Marktel S, Carrabba MG, Peccatori J, Corti C, Ciceri F

ここに注目!

イタリアにおけるCOVID-19 pandemicに際しての移植後フォローアップについての報告。
最初のCOVID-19患者発生から48時間以内に移植後患者について、移植からの期間や移植合併症の既往に応じて、“実際の受診”と“遠隔医療相談”に組織的に区別して対応を行なった。“遠隔医療相談”では、慢性GVHDに対しては「4週以内に口腔内の乾燥や嚥下困難がなかったか」、感染に対しては「2週以内に乾性咳嗽がなかったか」等の統一した質問項目を設け、皮疹などの視診が必要なケースではビデオ映像を用いた。1999年から2020年までに移植を受けた465例のうち236例にコンタクトした。“実際の受診”は移植後3カ月以内の患者のうち14例中13例、移植後3カ月以降の患者のうち222例中78例に行なわれた。20例ではCOVID-19を疑う発熱や気道感染症状があり、17例でCOVID-19検査が行なわれ、このうち5例は陽性であった。このほかの125例については、“遠隔医療相談”で対応可能であった。この試みによって、移植後のフォローアップには“遠隔医療相談”が有用であることが示され、COVID-19 pandemicが解決したあとにも有効に活用できる可能性を示している。