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2020年10月の注目論文(Vol. 2)

前田嘉信(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器内科学 教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年10月分(Vol. 2)は、前田嘉信氏が担当します。

Sorafenib Maintenance After Allogeneic Hematopoietic Stem Cell Transplantation for Acute Myeloid Leukemia With FLT3-Internal Tandem Duplication Mutation (SORMAIN)

J Clin Oncol. 38(26):2993-3002

Burchert A, Bug G, Fritz LV, Finke J, Stelljes M, Röllig C, Wollmer E, Wäsch R, Bornhäuser M, Berg T, Lang F, Ehninger G, Serve H, Zeiser R, Wagner EM, Kröger N, Wolschke C, Schleuning M, Götze KS, Schmid C, Crysandt M, Eßeling E, Wolf D, Wang Y, Böhm A, Thiede C, Haferlach T, Michel C, Bethge W, Wündisch T, Brandts C, Harnisch S, Wittenberg M, Hoeffkes HG, Rospleszcz S, Burchardt A, Neubauer A, Brugger M, Strauch K, Schade-Brittinger C, Metzelder SK

ここに注目!

同種造血幹細胞移植後のFLT3陽性AML患者83人に対し、FLT3阻害剤Sorafenib 2年間の維持療法とプラセボの無作為化比較試験の報告である。41.8カ月の中央観察期間でSorafenib群の再発・死亡のリスクは0.39(95%CI、0.18-0.85、P=0.013)と有意に低かった。24カ月の無再発生存率も85.0% vs 53.3%と有意に優れSorafenibの維持療法の有効性が示された。特に移植後MRD陽性の場合にSorafenibの高い有用性が認められた。Sorafenibは白血病細胞からのIL-15産生増強を介して、ホストのCD8T細胞のGVL効果を高める可能性が示唆されている(Nat Med 2018;24:282)。一方、FLT3阻害剤は実験レベルではGVHDを増悪させる可能性が示唆されているが、臨床的には増悪させるエビデンスに乏しい(Lancet Oncol 2020;21:1201)。したがって、移植後の維持療法は推奨され、現在、Gilteritinibでも同種造血幹細胞移植後の維持療法の有効性が無作為化比較試験で検証されている。