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2020年11月の注目論文(Vol. 1)

宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年11月分(Vol. 1)は、宮﨑泰司氏が担当します。

Dasatinib-Blinatumomab for Ph-Positive Acute Lymphoblastic Leukemia in Adults

N Engl J Med. 383(17):1613-1623

Robin Foà, M.D., Renato Bassan, M.D., Antonella Vitale, M.D., Loredana Elia, M.D., Alfonso Piciocchi, M.S., Maria-Cristina Puzzolo, Ph.D., Martina Canichella, M.D., Piera Viero, M.D., Felicetto Ferrara, M.D., Monia Lunghi, M.D., Francesco Fabbiano, M.D., Massimiliano Bonifacio, M.D., Nicola Fracchiolla, M.D., Paolo Di Bartolomeo, M.D., Alessandra Mancino, M.S., Maria-Stefania De Propris, Ph.D., Marco Vignetti, M.D., Anna Guarini, Ph.D., Alessandro Rambaldi, M.D., and Sabina Chiaretti, M.D., Ph.D. for the GIMEMA Investigators

ここに注目!

フィラデルフィア染色体陽性成人急性リンパ性白血病(Ph+ALL)63例(年齢中央値54歳)に対して、Dasatinib(DAS)+ステロイドによる寛解導入療法に引き続いてCD19およびCD3に対するバイト(BiTE)であるBlinatumomab(BLI)による2コースの治療が第Ⅱ相試験として実施され、治療後の骨髄分子反応が主要評価項目として評価された。血液学的寛解は98%、DAS終了時の分子反応は29%で、BLI終了後は60%に上昇した。反応例ではBLI治療が追加されたが、18カ月の全生存は95%、IKZF1欠失は予後不良因子であった。試験期間中に6例が再発、全体で24例が同種造血幹細胞移植を受けた。DAS+BLIの化学療法フリーの寛解導入と寛解後療法は初発Ph+ALLに対し高い分子反応と生存をもたらし、有害事象は許容範囲であった。今後のPh+ALL治療の新たな方向性を示していると考えられる報告である。