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特集T/NK細胞リンパ腫の病態と治療開発の最前線新たな治療標的の発見と新規薬剤への期待(2)近年、T/NK細胞リンパ腫は、ゲノム、遺伝子発現、蛋白発現を含むオミクス解析技術の進歩等と共に、疾患ごとの病態解明は大きく前進した。また、最近では再発難治例を中心に相次いで新薬が承認され、治療選択肢が多様となった。ここでは、T/NK細胞リンパ腫の中で頻度の高い疾患(ここでは末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)と総称する)と成人T細胞白血病/リンパ腫(ATL)に焦点を絞り、化学療法から移植、さらには新薬開発まで幅広く解説いただいた。実臨床では、自分自身を含めて、目の前の患者さんに、さてどう治療するのが最もよいのか、と迷う場面も多いように思う。T/NK細胞リンパ腫の領域では、たとえ専門家であっても絶対的な正解を示すのが難しい状況の中で、本特集が現場で奮闘しておられる先生方のご判断の一助になり、またエールをお送りすることができれば、何よりである。(責任編集 坂田(柳元)麻実子)

T/NK細胞リンパ腫に対する
自家・同種移植の意義はあるのか

鈴木律朗(島根大学 医学部附属病院 腫瘍・血液内科)

末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)の治療については、初発例には標準治療がなく、再発・難治例では、治療効果に関するデータも少ないのが現状である。近年、本邦でも新薬が相次いで保険承認され、治療選択が変化しつつある中、自家移植、同種移植の意義が改めて問われている。国内外のデータをもとに、PTCLに対する移植成績の評価と今後の移植のあり方について解説する。