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特集“新薬ラッシュ”で治療戦略は変わるのか多発性骨髄腫をめぐる最新の話題(4)多発性骨髄腫(MM)は、相次ぐ新薬の登場により生存期間が大幅に延長し、この10年で治療が大きく進展した造血器腫瘍である。高齢者が多いMMの患者さんのQOLを損なわず、病勢をうまくコントロールしていくために、“押し寄せる”新薬を治療戦略の中でどう位置づけ、いかにして最大の治療効果を引き出すかについて、第一線の専門医4名に解説していただいた。(責任編集 柴山浩彦)

移植適応患者の地固め/維持療法
新規治療薬の登場でどう変わるのか

黒田純也(京都府立医科大学大学院医学研究科 血液内科学)

65歳以下の若年者の多発性骨髄腫(MM)に対する自家造血幹細胞移植は、無増悪生存期間(PFS)の延長のみならず、全生存期間(OS)を延長しうる有力な標準治療の一つである。そして移植後の地固め/維持療法により、治療成績に大きな影響がもたらされることは周知であるが、日本血液学会の「造血器腫瘍診療ガイドライン2013年版」では、エビデンスが不十分として臨床試験の枠組み内での施行を推奨している。近年登場した新規治療薬により、地固め/維持療法にどのような変化が起こりうるのかについて概説する。