特集造血幹細胞移植をめぐる最近の話題 2022(3)同種造血幹細胞移植における移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)は移植の成否を分ける重要な合併症であり、近年、急性GVHDと慢性GVHDでは病態が異なることなども分かってきている。そして、GVHD予防や感染症対策などの進歩によっても、移植成績の向上がもたらされている。ここでは、同種造血幹細胞移植の最近の話題として急性GVHDの病態、GVHD予防における移植後シクロホスファミド、急性GVHDの治療、慢性GVHDの診断と治療、移植後の感染症管理の診断と治療という5つのテーマを取り上げ、それぞれ橋本大吾先生、杉田純一先生、村田誠先生、稲本賢弘先生、森毅彦先生にご解説いただいた。(責任編集 前田嘉信)
急性GVHDの治療の進歩と展望
二次治療の標準治療の確立が急務
村田誠(名古屋大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学)
2022.05.12