特集造血幹細胞移植をめぐる最近の話題 2022(2)同種造血幹細胞移植における移植片対宿主病(graft-versus-host disease:GVHD)は移植の成否を分ける重要な合併症であり、近年、急性GVHDと慢性GVHDでは病態が異なることなども分かってきている。そして、GVHD予防や感染症対策などの進歩によっても、移植成績の向上がもたらされている。ここでは、同種造血幹細胞移植の最近の話題として急性GVHDの病態、GVHD予防における移植後シクロホスファミド、急性GVHDの治療、慢性GVHDの診断と治療、移植後の感染症管理の診断と治療という5つのテーマを取り上げ、それぞれ橋本大吾先生、杉田純一先生、村田誠先生、稲本賢弘先生、森毅彦先生にご解説いただいた。(責任編集 前田嘉信)
移植後シクロホスファミドによる新たなGVHD予防戦略
次世代の標準的GVHD予防法を目指して
杉田純一(社会医療法人北楡会 札幌北楡病院 血液内科)
2022.04.28