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最新の血液疾患解説Comments on Hematology

特集慢性骨髄性白血病(CML)/骨髄増殖性腫瘍(MPN)診療の進歩と最近の話題(2)慢性骨髄性白血病(CML)を含む骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療は、過去10年の間に大きく進歩した。CML治療のキードラッグであるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は、現在、5剤が承認され、より深い分子遺伝学的奏効が得られるようになるとともに、治療目標が長期間の無治療寛解(TFR)に変わりつつあり、TKI中止も望めるようになってきた。一方、MPNの分子病態は急速に解明が進み、約9割のMPNでJAK2、MPL、CALRのいずれかの遺伝子変異が関わっていることが明らかになった。病態解明の進展に伴い、真性多血症(PV)や本態性血小板血症(ET)については、治癒を目指したペグ化インターフェロンによる新たな治療体系が構築されつつある。本特集では、CML/MPNに関する、治療目標の設定、治療薬の選択、副作用管理などについての最新の情報が盛り込まれており、第一線で活躍される先生方による解説が、実臨床で有用な指針となることを期待している。(責任編集 木崎昌弘)

TKI長期投与の安全性と副作用の管理
患者を注意深く観察し、日常生活を支える

髙久智生(順天堂大学大学院 医学研究科 血液内科学)

慢性骨髄性白血病(CML)の予後は、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)の登場により大きく改善したが、長期投与に伴う様々な副作用が問題になっている。現時点でTKIを中止できるのは一部の患者にすぎないだけに、特に副作用に関して患者を注意深く観察し、必要に応じて薬剤の減量や切り替えなどを行なうことで、長期にわたって患者の日常生活に支障が生じないような治療継続が求められている。