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最新の血液疾患解説Comments on Hematology

特集分子病態の解明が進む骨髄不全症難治性貧血の診断・治療の最新動向(3)近年、次世代シークエンサーによる網羅的ゲノム解析などにより骨髄不全症についての分子病態の解明が進み、その知見が診断に反映されるようになってきた。さらに、新規治療薬が次々と登場し、これまで限られた選択肢しかなかった骨髄不全症の治療の選択肢が広がっている。ここでは「再生不良性貧血」、「骨髄異形成症候群」、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」、「赤芽球癆」の診断と治療について、各疾患の専門家に最新の情報をもとに分かりやすく解説していただいた。(責任編集 張替秀郎)

発作性夜間ヘモグロビン尿症
その病態解明と治療の最前線

西村純一(大阪大学大学院 医学系研究科 血液・腫瘍内科学)

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体による溶血性貧血、血栓症、骨髄不全を3主徴とする造血幹細胞疾患である。PIGA遺伝子に後天的な変異を持つ造血幹細胞がクローン性に拡大することにより発症する。しばしば、再生不良性貧血などの骨髄不全症と合併・相互移行する。PNHの治療は、エクリズマブの登場により大きく変わり、2017年には特発性造血障害に関する調査研究班の「発作性夜間ヘモグロビン尿症診療の参照ガイド」も改訂された。ここではPNHの最新の情報を整理する。