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最新の血液疾患解説Comments on Hematology

特集分子病態の解明が進む骨髄不全症難治性貧血の診断・治療の最新動向(2)近年、次世代シークエンサーによる網羅的ゲノム解析などにより骨髄不全症についての分子病態の解明が進み、その知見が診断に反映されるようになってきた。さらに、新規治療薬が次々と登場し、これまで限られた選択肢しかなかった骨髄不全症の治療の選択肢が広がっている。ここでは「再生不良性貧血」、「骨髄異形成症候群」、「発作性夜間ヘモグロビン尿症」、「赤芽球癆」の診断と治療について、各疾患の専門家に最新の情報をもとに分かりやすく解説していただいた。(責任編集 張替秀郎)

骨髄異形成症候群(MDS)の治療に関する最近の話題

臼杵憲祐(NTT東日本関東病院 血液内科)

骨髄異形成症候群(MDS)は、無効造血による血球減少、血球異形成を特徴とする難治性の腫瘍性疾患であり、一定割合で急性骨髄性白血病(acute myeloid leukemia:AML)に移行する。治癒が期待できる治療は、現在のところ造血幹細胞移植のみであり、新規治療薬の登場が強く待ち望まれる。近年、次世代シークエンサーによる遺伝子解析により関係遺伝子が次々と明らかになっており、新しい分子を標的とした治療薬の開発も進んでいる。ここでは、開発中の新規治療薬の話題も含め、MDSの現在の治療と今後の展望について説明する。