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ガイドライン改訂のポイント① 急性骨髄性白血病(AML)

『造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版』改訂のポイント
急性骨髄性白血病

前田嘉信(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器内科学 教授)

近年の網羅的遺伝子解析の進歩により、急性骨髄性白血病(AML)における遺伝子変異の蓄積が明らかとなり、予後層別化と治療薬開発が進んでいる。今回のAML領域における『造血器腫瘍診療ガイドライン 2023年版』の主な改訂は、遺伝子変異とMRDによる治療の個別化、ベネトクラクス(VEN)+アザシチジン(AZA)療法とFLT3阻害薬の治療戦略への組み込みがポイントとなっている。本稿では、1. AMLのリスク分類の変更、2. MRD評価の有用性、3. 寛解導入療法、4. 維持療法の意義の4点を中心に解説する。