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学会レポートCongress Report

JSH2020レポート⑤ 「女性医師シンポジウム第82回日本血液学会学術集会(会長:長崎大学原爆後障害医療研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野(原研内科)教授・宮﨑泰司氏)が、2020年10月10日から国立京都国際会館を拠点にWEB開催された。全てのプログラムが11月8日まで約1カ月にわたりオンデマンドで視聴できるという、WEBならではの特長を生かしての学術集会となった。テーマは「血液学―多様性の追求」。オープニングセレモニーでは、宮﨑氏がこのテーマに込めた思いについて「基礎から臨床まで連続していること、多職種が関わる領域であること、若手からベテランまで関わることなど、多種多様な人材や研究テーマが血液学を発展させ、未来を切り拓く」と述べた。

個人のポテンシャルを最大に発揮するため
男性、女性の枠を超え多様な働き方の創出を

2016年の日本血液学会学術集会に始まった「女性医師シンポジウム」は今回で4回目となる。今回、座長を務めた日本造血細胞移植データセンターの熱田由子氏は、「すべての医師にとってキャリア形成はチャレンジングな課題。特に、女性医師はライフイベントや家庭の事情の影響を受けやすく、マイノリティのためロールモデルを見つけにくい。このセッションが、一歩踏み出すための情報や言葉に出合える機会にしてほしい」と語った。シンポジウムの最後に座長の埼玉医科大学総合医療センター血液内科の得平道英氏は、「女性医師は男性医師とは質の違う苦労をしており、環境を整えることでポテンシャルの何倍もの力を発揮してもらえる可能性があり、それがいかに重要かを感じた」と述べた。