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学会レポートCongress Report

ASH2020注目テーマ 「治療を変える臨床試験結果」#75血液疾患領域では、既存のパラダイムを大きく変える研究や新規治療法の開発が常に進められている。ここでは、ASH2020で発表された多くの臨床試験の中から、臨床現場に大きな影響を及ぼす可能性のある報告を紹介する。高齢の骨髄異形成症候群(MDS)患者に対する同種造血幹細胞移植による全生存率の向上、再発・難治性多発性骨髄腫(RRMM)に対するダラツムマブの皮下注射とポマリドミド、デキサメタゾン併用による無増悪生存期間(PFS)の延長、ステロイド抵抗性/依存性の慢性移植片対宿主病(GVHD)に対するルキソリチニブの有効性、ルーティンで投与することが多いトラネキサム酸の出血予防効果の検証の4題である。

高齢のMDS患者に対して同種移植は推奨される
HLA8/8一致ドナーがいればOSは良好 A Multi-Center Biologic Assignment Trial Comparing Reduced Intensity Allogeneic Hematopoietic Cell Transplantation to Hypomethylating Therapy or Best Supportive Care in Patients Aged 50-75 with Advanced Myelodysplastic Syndrome: Blood and Marrow Transplant Clinical Trials Network Study 1102 (#75)

Corey Cutler(Division of Stem Cell Transplantation and Cellular Therapy, Dana-Farber Cancer Inst., Boston, MA)

50〜75歳の高リスクの骨髄異形成症候群(MDS)で、強度減弱前処置(RIC)を用いた同種造血幹細胞移植の対象となった患者のうち、HLAアレル8/8適合ドナーがいた患者と、適合ドナーがいなかった患者の3年全生存率(OS)を比較したところ、8/8適合ドナーのいた患者のOSは、そうでない患者の2倍近くに向上したとの臨床試験結果を米国・ダナファーバーがん研究所のCorey Cutler氏が報告した。