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この論文に注目!Focus On

2022年11月の注目論文(Vol. 2)

前田嘉信(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器内科学 教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2022年11月分(Vol. 2)は、前田嘉信氏が担当します。

ここに注目!

現在、DLBCLに対するCAR-T製剤として、補助刺激にCD28を用いたaxi-celと4-1BBを用いたtisa-celが臨床応用されている。本論文では、real-world dataとして2剤を比較している。フランスのregistry studyにて809症例から、偏向スコアによりマッチングした418例を解析した結果、OR/CRはaxi-celの80%/60%に対し、tisa-celが66%/42%とaxi-celが有意に良好であった。1年PFS/OSもaxi-celが有意に良好であった(axi-cel:46.6%/63.5% vs. tisa-cel:33.2%/48.8%)。また、サイトカイン放出症候群や免疫エフェクター細胞関連神経毒性症候群(ICANS)の副作用はaxi-celが多かった。直接比較ではなく、かつ後方視解析だが、効果と安全性について製剤による違いがあるかもしれない。