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2021年3月の注目論文(Vol. 1)

宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年3月分(Vol. 1)は、宮﨑泰司氏が担当します。

Trib1 promotes acute myeloid leukemia progression by modulating the transcriptional programs of Hoxa9

Blood. 137(1):75–88

Yoshino S, Yokoyama T, Sunami Y, Takahara T, Nakamura A, Yamazaki Y, Tsutsumi S, Aburatani H, Nakamura T

ここに注目!

偽キナーゼのTrib1発現はHoxA9と関連して急性骨髄性白血病の病態に関与することが以前より指摘されているが、本研究では詳細な機構を解析し、Trib1がHoxA9の関連するスーパーエンハンサー(SE)制御を介してHoxA9下流遺伝子の発現を亢進し、その結果として白血病化に関与することを明らかにした。C/EBPαのp42サブユニットはHoxA9に関連するSEに結合しHoxA9下流遺伝子発現を抑制していること、Trib1がC/EBPαのp42サブユニットをユビキチン化によって破壊することで、SEを介するHoxA9下流遺伝子の発現上昇が生ずること、標的となるHoxA9下流の遺伝子の一つがEtsファミリー転写因子のErgでErg発現と白血病細胞の動態が関連することが明らかとなった。さらに、BRD4阻害薬JQ-1によってSEを抑制すると抗白血病効果が得られることなどを明らかにし、Trib1の白血病病態への関連がSEを基盤とすることを示している。