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2021年6月の注目論文(Vol. 2)

宮﨑泰司(長崎大学 原爆後障害医療研究所 所長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2021年6月分(Vol. 2)は、宮﨑泰司氏が担当します。

Eprenetapopt Plus Azacitidine in TP53-Mutated Myelodysplastic Syndromes and Acute Myeloid Leukemia: A Phase II Study by the Groupe Francophone des Myélodysplasies (GFM)

J Clin Oncol. 2021 Feb 18:JCO2002342. doi: 10.1200/JCO.20.02342.

Cluzeau T, Sebert M, Rahmé R, Cuzzubbo S, Lehmann-Che J, Madelaine I, Peterlin P, Bève B, Attalah H, Chermat F, Miekoutima E, Rauzy OB, Recher C, Stamatoullas A, Willems L, Raffoux E, Berthon C, Quesnel B, Loschi M, Carpentier AF, Sallman DA, Komrokji R, Walter-Petrich A, Chevret S, Ades L, Fenaux P

ここに注目!

骨髄異形成症候群(MDS)、急性骨髄性白血病(AML)にみられるTP53変異は、治療法にかかわらず予後不良と強く関連している。アザシチジン(AZA)治療で40%程度の奏効がみられるが、治療反応期間は短く、生存期間中央値は6カ月程度である。
Eprenetapopt(EPR)は小分子化合物で、変異TP53蛋白質の構造を変化させて野生型の機能を回復させる。この研究ではMDS(34例)とAML(18例)に対するEPRとAZA併用の安全性と有効性を検討する第2相試験が実施された。MDSでは47%の完全寛解を含めて全奏効が62%で、奏効持続期間の中央値は10.4カ月、AMLでは全奏効33%のうち完全寛解が17%であった。反応がみられた症例のうち73%では次世代シーケンサーにてTP53変異を同定できない分子レベルの反応が得られていた。
主な有害事象は発熱性好中球減少症と神経学的有害事象であった。観察期間中央値9.7カ月における生存期間中央値はMDSでは12.1カ月、AMLでは芽球割合30%未満の例では13.9カ月、芽球割合30%以上では3カ月であり、EPRとAZAの併用はTP53変異MDS、AML例に対して有効と考えられた。