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2020年12月の注目論文(Vol. 2)

坂田(柳元)麻実子(筑波大学 医学医療系 血液内科 准教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2020年12月分(Vol. 2)は、坂田(柳元)麻実子氏が担当します。

Precision medicine treatment in acute myeloid leukemia using prospective genomic profiling: feasibility and preliminary efficacy of the Beat AML Master Trial

Nat Med. 26(12):1852-1858

Amy Burd, Ross L Levine, Amy S Ruppert, Alice S Mims, Uma Borate, Eytan M Stein, Prapti Patel, Maria R Baer, Wendy Stock, Michael Deininger, William Blum, Gary Schiller 10, Rebecca Olin 11, Mark Litzow 12, James Foran 13, Tara L Lin 14, Brian Ball, Michael Boyiadzis 15, Elie Traer, Olatoyosi Odenike, Martha Arellano, Alison Walker, Vu H Duong, Tibor Kovacsovics, Robert Collins, Abigail B Shoben, Nyla A Heerema, Matthew C Foster 16, Jo-Anne Vergilio 17, Tim Brennan 17, Christine Vietz 17, Eric Severson 17, Molly Miller, Leonard Rosenberg, Sonja Marcus, Ashley Yocum, Timothy Chen, Mona Stefanos, Brian Druker, John C Byrd

ここに注目!

多数の遺伝子を同時に調べる遺伝子パネル検査等によって遺伝子異常を明らかにし、それぞれのがんの性質に応じた最適な治療を行なうことはPRECISION MEDICINEと呼ばれ、固形がんにおいては実臨床にも取り入れられつつある。一方で、急性骨髄性白血病(AML)は、進行が速いことから診断後早期に治療が開始され、従来は遺伝子パネル検査の対象とされてこなかった。本研究では未治療かつ60歳以上のAMLの患者さんがBeat AML MASTER試験(ClinicalTrials.gov NCT03013998)に前向きに登録され、FoundationOne Hemeを用いて遺伝子異常を調べ、7日以内に解析結果が返却された。AMLが疑われた487人の患者が登録され、395人が適格であった。そして、224人(56.7%)がBeat AMLサブスタディ(遺伝子変異に応じた治療レジメンで加療する研究)に登録された。残りの171人の患者は、標準治療(103人)、治験(28人)、または緩和ケア(40人)を選択した。Beat AMLサブスタディに登録された患者の方が、標準治療を選択した患者と比較して30日間の死亡率は低く、全生存期間は有意に長かった。 本試験の結果から、AMLにおいても遺伝子変異プロファイルを迅速(7日以内)に診療に組み込むPRECISION MEDICINEの実現が可能であることを示唆している。