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2018年5月の注目論文(Vol. 2)

伊豆津宏二(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科 科長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年5月分(Vol. 2)は、伊豆津宏二氏が担当します。

CHOP versus GEM-P in previously untreated patients with peripheral T-cell lymphoma (CHEMO-T): a phase 2, multicentre, randomised, open-label trial.

Lancet Haematol. 5(5):e190-e200

Gleeson M, Peckitt C, To YM, Edwards L, Oates J, Wotherspoon A, Attygalle AD, Zerizer I, Sharma B, Chua S, Begum R, Chau I, Johnson P, Ardeshna KM, Hawkes EA, Macheta MP, Collins GP, Radford J, Forbes A, Hart A, Montoto S, McKay P, Benstead K, Morley N, Kalakonda N, Hasan Y, Turner D, Cunningham D

ここに注目!

CHOP療法は、悪性リンパ腫のさまざまな病型に対する初回治療として最も多く用いられているレジメンであるが、末梢性T細胞リンパ腫(PTCL)でのCHOP療法の奏効割合や無増悪生存期間は十分とはいえない。PTCLでP糖蛋白(MDR-1)が高発現していることが、原因の一つと考えられており、節外性NK/T細胞リンパ腫のように、P糖蛋白によって排出されない抗腫瘍薬による多剤併用化学療法で予後が改善されるか、興味がもたれるところである。GEM-P療法(ゲムシタビン、シスプラチン)は、P糖蛋白によって排出されない抗腫瘍薬により構成され、再発・難治性PTCLに対して一定の効果が示されている。本試験は、未治療PTCLを対象としてGEM-P療法とCHOP療法の完全奏効(CR)割合を比較するランダム化第Ⅱ相試験であったが、予定された中間解析前に発表された主要評価項目であるCR割合において、GEM-P群がCHOP群に勝る可能性が低いとして早期中止となった。この結果から、現時点ではPTCLにおいてもCHOP療法を選択すべきという結論になる。しかし、無増悪生存期間については両療法に目立った違いは見られていない。