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特集造血幹細胞移植をめぐる最近の話題移植後の患者の生活をいかに改善させるか(4)わが国の造血幹細胞移植数は、自家と同種を合わせ年間約5,500件。造血幹細胞ソースで臍帯血が大きく増え、2010年頃よりHLA半合致移植(ハプロ移植)も著しく増加してきた。移植医療の進歩に伴い、移植後の生存率は年々向上している一方で、移植後の晩期合併症対策やQOLの維持など、新たな課題もうまれている。ここでは、移植後シクロホスファミドを用いたHLA半合致移植の可能性、慢性GVHDの最新の病態研究と治療法、移植患者の長期フォローアップの重要性と課題、小児科での骨髄非破壊的移植とHLA半合致移植の意義について、各分野の専門家に解説していただいた。(責任編集 前田嘉信)

小児科での骨髄非破壊的移植(RIST)と
HLA半合致移植の意義

井上雅美(大阪母子医療センター 血液・腫瘍科)

小児の造血幹細胞移植は、成人の造血幹細胞移植とともに発展し、移植成績の向上に伴い移植関連晩期合併症が大きな課題として浮上してきた。なかでも、成長や二次性徴に影響を及ぼす内分泌障害は子どもにとって深刻な問題であり、それらを軽減・回避できる造血幹細胞移植の開発および長期フォローアップによる子どもや家族へのサポートが非常に重要となっている。ここでは、小児に対する骨髄非破壊的移植(RIST)の可能性と家族をドナーとするHLA半合致移植(ハプロ移植)の現状について解説する。