特集慢性骨髄性白血病(CML)/骨髄増殖性腫瘍(MPN)診療の進歩と最近の話題(2)慢性骨髄性白血病(CML)を含む骨髄増殖性腫瘍(MPN)の治療は、過去10年の間に大きく進歩した。CML治療のキードラッグであるチロシンキナーゼ阻害薬(TKI)は、現在、5剤が承認され、より深い分子遺伝学的奏効が得られるようになるとともに、治療目標が長期間の無治療寛解(TFR)に変わりつつあり、TKI中止も望めるようになってきた。一方、MPNの分子病態は急速に解明が進み、約9割のMPNでJAK2、MPL、CALRのいずれかの遺伝子変異が関わっていることが明らかになった。病態解明の進展に伴い、真性多血症(PV)や本態性血小板血症(ET)については、治癒を目指したペグ化インターフェロンによる新たな治療体系が構築されつつある。本特集では、CML/MPNに関する、治療目標の設定、治療薬の選択、副作用管理などについての最新の情報が盛り込まれており、第一線で活躍される先生方による解説が、実臨床で有用な指針となることを期待している。(責任編集 木崎昌弘)
TKI長期投与の安全性と副作用の管理
患者を注意深く観察し、日常生活を支える
髙久智生(順天堂大学大学院 医学研究科 血液内科学)
2020.06.18