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最新の血液疾患解説Comments on Hematology

特集B細胞性急性リンパ性白血病の分子病態、層別化、治療をめぐる最新の話題(4)急性リンパ性白血病(ALL)は、小児に好発する造血器腫瘍であり、B細胞性ALL(B-ALL)が約8割を占める。小児のALLの生存率は約90%までに向上し、多くは治癒も見込めるようになったが、成人の生存率は約40%にとどまっている。しかしながら、近年、チロシンキナーゼ阻害薬(TKI)などの新規治療薬や新たな免疫細胞療法が登場し、治療成績の向上が期待されている。
本特集では、B-ALLの重要なテーマとして、ALLの遺伝子変異の最新情報、測定可能/微小残存病変(MRD)の臨床上の意義、フィラデルフィア染色体陽性急性リンパ性白血病(Ph+ALL)の新たな治療戦略、再発・難治性ALLに対するCAR-T療法、AYA世代ALLの治療とケアを取り上げ、それぞれ、加藤元博先生、宮本敏浩先生、大西康先生、後藤秀樹先生、佐藤篤先生に、ご解説いただいた。
(責任編集 張替秀郎)

再発・難治性B-ALLに対する
CAR-T療法の現状と展望

後藤秀樹(北海道大学病院 血液内科)

CD19抗原をターゲットとしたキメラ抗原受容体T細胞療法(chimeric antigen receptor T-cell; CAR-T療法)としてtisagenlecleucel(商品名:キムリア)が、再発・難治性のB細胞性急性リンパ性白血病(B-ALL)とびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)に保険承認となってから早くも2年以上が経過し、実臨床での使用経験が徐々に増えつつある。同時にキムリア実施可能施設も増え、23医療機関、39診療科で使用が可能となった(2021年4月現在)。このようにCAR-T療法が医療現場に浸透してきている中で、再発・難治性B-ALLに対するCAR-T療法のリアルワールドデータから見た臨床のポイントと、今後の展望について解説する。