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学会レポートCongress Report

骨髄腫学会2021 レポート③ シンポジウム温故知新2「腎障害・染色体異常」第46回日本骨髄腫学会学術集会(会長:福島県立医科大学・坂井晃氏)が、2021年5月29〜30日、「温故知新」をテーマに開催された。新型コロナウイルスの感染状況に配慮し、現地開催とウェブを併用したハイブリッド形式での開催となった。会長の坂井晃氏は「温故知新」をテーマに掲げた理由として、「骨髄腫の治療開始時期はCRABのいずれかを認める症候性骨髄腫からとなっている。学術集会では改めてCRABが生じる機序と意義を見直し理解を深めることで、骨髄腫の治療がさらに発展することを期待したい」と述べている。「Hematopaseo」では、「温故知新」を巡る3つのシンポジウムを中心に報告する。

MMの糸球体病変や円柱腎症の作用機序を詳説
染色体異常の病態や遺伝子発現との関連を解析

シンポジウム温故知新2「腎障害・染色体異常」では、多発性骨髄腫(MM)が腎障害を誘発するメカニズムに関する腎臓専門医による解説や、MMにおける染色体1q21増多と1p欠失に関するゲノム異常とその発症機序についての研究者の解析結果が紹介された。また、腎障害のMMに対するダラツムマブの効果、t(11;14)染色体転座例における分子生物学的解析の結果も発表された。