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学会レポートCongress Report

骨髄腫学会2021 レポート② 特別講演1「多発性骨髄腫における免疫調節薬:我々はどこまで識りえたか」第46回日本骨髄腫学会学術集会(会長:福島県立医科大学・坂井晃氏)が、2021年5月29〜30日、「温故知新」をテーマに開催された。新型コロナウイルスの感染状況に配慮し、現地開催とウェブを併用したハイブリッド形式での開催となった。会長の坂井晃氏は「温故知新」をテーマに掲げた理由として、「骨髄腫の治療開始時期はCRABのいずれかを認める症候性骨髄腫からとなっている。学術集会では改めてCRABが生じる機序と意義を見直し理解を深めることで、骨髄腫の治療がさらに発展することを期待したい」と述べている。「Hematopaseo」では、「温故知新」を巡る3つのシンポジウムを中心に報告する。

作用機序の解明が進む免疫調節薬
IMiDs抵抗性には骨髄微小環境が関与

特別講演1「多発性骨髄腫における免疫調節薬:我々はどこまで識りえたか」では、米国・ハーバード大学医学部ダナ・ファーバーがん研究所の秀島輝氏が、多発性骨髄腫(MM)治療に用いられる免疫調節薬(IMiDs)について、これまで解明された作用機序と、IMiDs抵抗性の機序について解説した。また、セレブロンE3ユビキチンリガーゼモジュレーター(CELMoDs)など新たな薬剤のMM治療薬としての可能性についても触れた。