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学会レポートCongress Report

骨髄腫学会2019レポート②-1 Pros and Cons「自家移植後の維持療法は必要か?どのような患者が適応で、どのような維持療法が良いのか?

Pros:レナリドミドによるPFS延長は確立されている
Cons:細胞遺伝学、MRD、免疫能を考慮した対応を(前編:Pros)

日本骨髄腫学会で初の試み、Pros and Consのセッションが、会長の飯田真介氏の肝煎りで行なわれた。テーマは「自家移植後の維持療法は必要か?どのような患者が適応で、どのような維持療法が良いのか?」。Prosの原三信病院血液内科の上村智彦氏が「レナリドミドによる維持療法によるPFSの有意な延長は多くの臨床試験で認められており、プロテアソーム阻害薬による維持療法も有効」と主張したのに対し、Consの徳島県立中央病院血液内科の尾崎修治氏は「導入療法が強力になり、維持療法の意義は薄れつつある。患者の細胞遺伝学、MRD+/−、免疫能などを考慮した治療全体の強化が重要」と反論した。まずは、Prosの原三信病院血液内科の上村智彦氏の講演を紹介する。