JSH2020レポート② 「プレナリーセッション」第82回日本血液学会学術集会(会長:長崎大学原爆後障害医療研究所 原爆・ヒバクシャ医療部門 血液内科学研究分野(原研内科)教授・宮﨑泰司氏)が、2020年10月10日から国立京都国際会館を拠点にWEB開催された。全てのプログラムが11月8日まで約1カ月にわたりオンデマンドで視聴できるという、WEBならではの特長を生かしての学術集会となった。テーマは「血液学―多様性の追求」。オープニングセレモニーでは、宮﨑氏がこのテーマに込めた思いについて「基礎から臨床まで連続していること、多職種が関わる領域であること、若手からベテランまで関わることなど、多種多様な人材や研究テーマが血液学を発展させ、未来を切り拓く」と述べた。
6名の演者がハイレベルな研究成果を報告
現地からLIVE配信される
2020.10.29
第82回日本血液学会学術集会プレナリーセッションは10月11日(日)に、国立京都国際会館からLIVE配信された。座長を務めた近畿大学の松村到氏は「1,000題以上の応募演題の中から優秀な研究として選ばれた6演題で、大変レベルの高い研究成果である」と述べて、6名の演者に改めて祝意を示した。テーマとしては、シングルセルゲノミクスやマルチオミクスなどの手法を用いて、幹細胞の加齢や遺伝子変異のメカニズムに迫った研究やHTLV-1に感染した細胞の挙動や微小環境との関係に迫る研究、また、骨髄増殖性腫瘍の治療を目的とした新規の抗体や自家iPS細胞由来血小板の臨床研究の結果など、基礎だけでなく臨床に直結する成果も報告され、フロアからは多くの質問や意見が出た。最後に、座長を務めた北海道大学の豊嶋崇徳氏は「来年のJSHでもこのような素晴らしい研究成果が発表され、学会場でみなさんと会えることを期待している」と締めくくった。