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学会レポートCongress Report

EHA2023レポート⑨ 日本からの発表

輸血依存・免疫抑制薬未投与の再生不良性貧血に対し
ロミプロスチムとシクロスポリン併用療法は有効 Efficacy and safety of romiplostim combined with cyclosporine A as a first-line treatment in patients with aplastic anemia: a phase 2/3clinical trial. (#P777)

千葉滋(筑波大学 医学医療系 血液内科)

トロンボポエチン(TPO)受容体作動薬であるロミプロスチムは、免疫抑制療法(IST)に抵抗性の再生不良性貧血(AA)に対して有効性が確認されている。また、ISTの治療歴がないAA患者ではロミプロスチムとウサギ抗胸腺細胞グロブリン(r-ATG)、シクロスポリンとの併用療法の効果も報告されている。しかしISTのキードラッグであるATGの忍容性の観点から、千葉氏らはATGを使用しない治療法を開発するため、ロミプロスチムとシクロスポリンの併用療法の第II/III相試験を実施し、その有効性と安全性を明らかにした。