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学会レポートCongress Report

EHA2023レポート① Late-breaking Session

FLT3-ITD変異AMLに対する移植後の維持療法
MDS陽性患者にはギルテリチニブが有効 BMT-CTN 1506 (MORPHO):A randomized trial of the FLT3 inhibitor gilteritinib as post-transplant maintenance for FLT3-ITD AML (#LB2711)

Mark J Levis(Oncology, Johns Hopkins University, Baltimore, USA)

FLT3遺伝子内縦列重複(FLT3-ITD)変異陽性の急性骨髄性白血病(AML)患者に対する造血幹細胞移植後の維持療法で、FLT3阻害薬のギルテリチニブによる無再発生存率(RFS)はプラセボと比較して有意な改善は認められなかった。しかし、移植前後で微小残存病変(MRD)陽性の患者についてのサブグループ解析では、MRD陽性患者でギルテリチニブの有効性が示された。これは、移植後の維持療法におけるギルテリチニブの有効性および安全性を検証した国際共同第Ⅲ相臨床試験BMT-CTN 1506(MORPHO)の結果で、報告した米国・Johns Hopkins UniversityのMark J Levis氏は「MRD陽性のFLT3-ITD変異AML患者に対する維持療法の選択肢になる」と述べた。