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学会レポートCongress Report

EHA2021 Virtualレポート⑤ Late-breaking Session #LB1904第26回欧州血液学会(EHA2021)は、2021年6月9~17日まで、昨年と同様にバーチャルミーティング形式での開催となった。新型コロナウイルスの感染が収束しないことに対応したもので、オープニングセレモニーで会長のJohn Gribbe氏(英国・Queen Mary大学)は「対面でのコミュニケーションはできないが、EHAは血液学領域の医師や研究者が情報交換する場を提供するという役割は変わらない」と述べた。
EHA2021では、会長シンポジウムやプレナリーセッション、Late-breaking Session、EHAと各国の血液学会とのジョイントシンポジウムなどの主要セッションがライブ配信され、ほとんどのオーラルセッションとe-ポスターセッションなどがオンデマンド配信された。

再発・難治性FLに対するCAR-T療法は
実臨床データと比べ有効性が高い A Comparison of Clinical Outcomes from ZUMA-5 (Axicabtagene Ciloleucel) and the International SCHOLAR-5 External Control Cohort in Relapsed/Refractory Follicular Lymphoma (R/R FL)

John Gribbe(Barts Cancer Institute, UK)

再発・難治性の濾胞性リンパ腫(FL)に対するCD19標的キメラ抗原受容体(CAR)T療法のaxicabtagene ciloleucel(axi-cel)の有効性は、これまでに多施設共同単一群の非盲検第II相試験であるZUMA-5で報告され、長期観察でも高い奏効率が維持されていることが明らかになっている。今回、国際多施設の観察研究データであるSCHOLAR-5から抽出された実臨床のデータと比較したところ、axi-celが深く持続的な効果を示していることが明らかになった(#LB1904)。