EHA2020 Virtualレポート⑥ Late-breaking Session今年のEHAのLate-Breaking Sessionでは7演題が選ばれた。その中で、再発・難治性ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブの有効性の検討(#2600)、高齢者急性骨髄性白血病(AML)に対するベネトクラクスの有効性の検討(#2601)、真性多血症に対するロペグインターフェロンと瀉血の有効性の比較(#2602)、再発・難治性多発性骨髄腫に対するカルフィルゾミブとイサツキシマブの併用効果の検討(#2603)、アミロイドーシスに対するダラツムマブの有効性の検討(#2604)の5演題は、新しい治療法に関する臨床試験結果の報告であった。新型コロナウイルス感染症(COVID-19)関連では2演題が選ばれ、COVID-19による血管内皮傷害で凝固異常が発症(#2605)とCOVID-19により鎌状赤血球症などでリスクが高まる(#2606)であった。
この中から再発・難治性ホジキンリンパ腫に対するペムブロリズマブの効果、AMLへのベネトクラクスの効果、アミロイドーシスに対するダラツムマブの効果、鎌状赤血球症に対するCOVID-19の影響について検討した4演題を紹介する。
未治療の全身性ALアミロイドーシスに対し
ダラツムマブを含む多剤併用療法が有効
Subcutaneous Daratumumab + Cyclophosphamide, Bortezomib, and Dexamethasone (CYBORD) in Patients with Newly Diagnosed Light Chain (AL) Amyloidosis: Primary Results from the Phase 3 ANDROMEDA Study
Efstathios Kastritis(National and Kapodistrian University of Athens, School of Medicine, Athens, Greece)
2020.07.30
未治療の全身性ALアミロイドーシスに対し、抗CD38抗体のダラツムマブと、シクロホスファミド、ボルテゾミブ、デキサメタゾン(CyBorD)を併用した治療(D-CyBorD)が、CyBorD単独に比べ、血液学的完全奏効率を改善し、アミロイド沈着による心臓や腎臓の機能低下を防ぐことが明らかになった。これは、Late-Breaking Session で、ギリシャ・University of AthensのEfstathios Kastritis氏が、ALアミロイドーシスの患者を対象に行なったランダム化第Ⅲ相試験ANDROMEDAの結果として報告したもの(#2604)。