血液専門医と医療関係者のための情報サイト「ヘマトパセオ」

学会レポートCongress Report

EHA2018レポート①-1 Late-Breaking Oral Session EHA2018の最終日に行なわれたLate-Breaking Oral Sessionでは、わが国の施設も参加した臨床研究の結果が2題、報告された。一つは発作性夜間血色素尿症(PNH)の治療に用いられるエクリズマブの後継薬となるRavulizumabについての、エクリズマブに対する非劣性試験の結果、もう一つは、再発・難治性多発性骨髄腫に対し、ポマリドミドと低用量デキサメタゾンの併用療法(Pd療法)と、それにエロツズマブを加えたEPd療法の治療成績を比較した臨床試験の結果である。この2演題について紹介する。

PNHへの8週間隔のravulizumab投与は
2週間隔のエクリズマブ投与に対し非劣性 Results from a Phase 3, Multicenter, Noninferiority Study of Ravulizumab (ALXN1210) versus Eculizumab in Adult Patients with Paroxysmal Nocturnal Hemoglobinuria (PNH) Naive to Complement Inhibitors

Jong Wook Lee(Department of Hematology, Seoul St. Mary’s Hospital, College of Medicine, The Catholic University of Korea, Seoul, Korea, Republic Of)

発作性夜間ヘモグロビン尿症(PNH)は、補体C5に対するヒト化モノクローナル抗体のエクリズマブの登場により、血管内溶血が比較的コントロール良好となり、血栓症など溶血に伴う様々な臨床症状への効果も期待されている。その後継薬であるravulizumabについて、エクリズマブとの非劣性比較が、25カ国の国際共同第Ⅲ相臨床試験として実施され、ravulizumabがエクリズマブに対し非劣性であったとの報告が、韓国のJong Wook Lee氏により行なわれた。