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学会レポートCongress Report

ASH2020注目テーマ Late-Breaking Abstracts Session #1

MPNのドライバー遺伝子変異は
出生前や小児期にすでに生じている Driver Mutation Acquisition in Utero and Childhood Followed By Lifelong Clonal Evolution Underlie Myeloproliferative Neoplasms (#LBA-1)

Jyoti Nangalia, MBBChir(Wellcome Sanger Institute, Hinxton, United Kingdom)

クローン性造血変異は加齢とともに増加することが報告されてきたが、最初の変異は胎児期に獲得されることが明らかになった。英国のJyoti Nangalia, MBBChir氏のグループは骨髄増殖性腫瘍(MPN)患者のシングル・セル・ゲノム解析を縦断的に行なうことによって、患者1人ひとりの遺伝子変異の系統樹を作成することに成功した。MPNでは、胎児期や小児期で最初の遺伝子変異を獲得、クローン拡大を経て30年から40年の年月を経て発症する患者が少なくないことがわかった。ゲノム解析による早期診断、早期介入の可能性を示唆する結果である。