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学会レポートCongress Report

ASH2017 注目演題 CAR-T細胞療法 患者の体内から取り出したT細胞を遺伝子操作し、CD19を標的としてがんを攻撃する能力を高め、再び体内に戻すという"究極の個別化医療"といえるキメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法が、ASH2017でも注目を集めた。ここではB細胞に由来する悪性リンパ腫に対するCAR-T細胞療法の有効性を検証した「JULIET」「ZUMA-1」の臨床試験の結果を紹介する。

再発・難治性DLBCLに対し
CAR-T細胞療法が高い有効性示す 〜JULIET試験の初回解析より〜 #577
Primary Analysis of Juliet: A Global, Pivotal, Phase 2 Trial of CTL019 in Adult Patients with Relapsed or Refractory Diffuse Large B-Cell Lymphoma

Stephen J. Schuster(Lymphoma Program, Abramson Cancer Center, University of Pennsylvania, Philadelphia, PA, USA)

再発・難治性のびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)は、治療選択肢が少なく、予後が不良の悪性リンパ腫であり、それに対し、キメラ抗原受容体(CAR)T細胞療法であるCTL019(tisagenlecleucel)が高い有効性を示すことを、ペンシルバニア大学アブラムソンがんセンターのStephen J. Schuster氏が報告した。単群非盲検多施設国際共同第Ⅱ相試験のJULIETの解析結果である。