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この論文に注目!Focus On

2024年6月の注目論文(Vol. 2)

大西康(東北大学大学院 医学系研究科 血液内科学分野 講師)
張替秀郎(東北大学大学院 医学系研究科 血液内科学分野 教授)

血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2024年6月分(Vol. 2)は、大西康氏と張替秀郎氏が担当します。

Post induction molecular MRD identifies patients with NPM1 AML who benefit from allogeneic transplant in first remission

Blood. 2024 Feb 16:blood.2023023096. doi: 10.1182/blood.2023023096. Online ahead of print.

Othman J, Potter N, Ivey A, Jovanovic J, Runglall M, Freeman SD, Gilkes AF, Thomas I, Johnson S, Canham J, Cavenagh JD, Kottaridis P, Arnold C, Ommen HB, Overgaard UM, Dennis M, Burnett AK, Wilhelm-Benartzi CS, Dilon R, Russell NH.

ここに注目!

NPM1変異陽性AMLにおいて第一寛解期での同種移植(CR1-allo)が適応となる条件は確立されていない。UKの前向き試験AML17、AML19において、寛解導入療法開始2サイクル後の末梢血NPM1 MRD(定量RT-PCR)が陽性143例の中でCR1-allo群(n=66)はno CR1-allo群よりも3年OSが良好であった(61% vs. 24%)。一方で、MRD陰性の594例においてはCR1-allo群(n=101)とno CR1-allo群の間で有意差は認めなかった(79% vs. 82%)。また、前処置強度は成績に影響しなかった。FLT3-ITD変異が併存する群に限定してもMRD陽性例でのみCR1-alloの優位性(3年OS、45% vs. 18%)が示され、FLT3のアリル割合は影響しなかった。今後、FLT3-ITDのMRD評価や60歳以上のデータ蓄積が望まれる。NPM1変異陽性AML(FLT3-ITD陰性)は予後良好群とされる一方で、MRD残存例ではCR1-alloが有用であることを示す内容である。