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この論文に注目!Focus On

2022年4月の注目論文(Vol. 1)

柴山浩彦(国立病院機構 大阪医療センター 血液内科 科長)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2022年4月分(Vol. 1)は、柴山浩彦氏が担当します。

Daratumumab, Carfilzomib, Lenalidomide, and Dexamethasone With Minimal Residual Disease Response-Adapted Therapy in Newly Diagnosed Multiple Myeloma

J Clin Oncol. 2021 Dec 13:JCO2101935. doi: 10.1200/JCO.21.01935. Online ahead of print.

Costa LJ, Chhabra S, Medvedova E, Dholaria BR, Schmidt TM, Godby KN, Silbermann R, Dhakal B, Bal S, Giri S, D'Souza A, Hall A, Hardwick P, Omel J, Cornell RF, Hari P, Callander NS.

ここに注目!

移植適応のある初発MM患者に対し、ダラツムマブ、カルフィルゾミブ、レナリドミド、デキサメタゾンの4剤併用(DKRD療法)の寛解導入、自家移植、地固めとして再度DKRD療法を行ない、決められたタイミングで次世代シーケンサー(NGS)によるMRD測定(感度:10-5)を実施し、2回連続MRD陰性となれば、治療を中止し経過観察するというMASTER試験の結果が報告された。本試験に参加した123人のうち、37%が1つ、20%が2つ以上の高リスク染色体異常(HR-CA)を有していた。全体では80%がMRD陰性に達し、66%は10-6未満に達した。また、71%が2回連続MRD陰性となった。治療中止後1年時点でのMRD陽性化(PD含む)率は、HR-CA 0、1、2以上で、それぞれ、4%、0%、27%であった。この結果から、本治療法によって高頻度にMRD陰性が得られることが示された。また、HR-CAが1つまでであれば、MRD陰性が得られた場合、維持療法を行なわないという選択肢があることも示唆されている。