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2018年4月の注目論文(Vol. 1)

前田嘉信(岡山大学大学院医歯薬学総合研究科 血液・腫瘍・呼吸器内科学 教授)

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血液専門医である「Hematopaseo」のアドバイザリーボードメンバーが、血液領域の最新論文から注目すべきものをピックアップ。2018年4月分(Vol. 1)は、前田嘉信氏が担当します。

Tisagenlecleucel in Children and Young Adults with B-Cell Lymphoblastic Leukemia.

N Engl J Med. 378(5):439-448

Maude SL, Laetsch TW, Buechner J, Rives S, Boyer M, Bittencourt H, Bader P, Verneris MR, Stefanski HE, Myers GD, Qayed M, De Moerloose B, Hiramatsu H, Schlis K, Davis KL, Martin PL, Nemecek ER, Yanik GA, Peters C, Baruchel A, Boissel N, Mechinaud F, Balduzzi A, Krueger J, June CH, Levine BL, Wood P, Taran T, Leung M, Mueller KT, Zhang Y, Sen K, Lebwohl D, Pulsipher MA, Grupp SA

ここに注目!

小児・若年の再発・難治性B細胞性ALLに対するCAR-T細胞(Tisagenlecleucel)療法の多施設第II相試験の結果の報告である。中央値11歳(3-23歳)の小児・若年患者75例に投与された。61%は同種移植後の再発例であったが、81%が奏効し、奏効例全てフローサイトメトリーでMRD陰性が確認された。1年のEFSは50%で、観察期間が短いものの寛解が維持される可能性が示唆された。サイトカイン放出症候群が77%、中枢神経障害が40%に発症し、短期で回復するが投与後に約半数はICU管理を必要とした。CAR-T細胞の細胞内ドメインには、4-1BBが使用されているが、T細胞疲弊が少なく、長期の体内残存が期待されている。本剤の体内残存期間中央値は168日で、6カ月時点でB細胞無形成が続く患者は83%であった。投与後全身管理に注意を要するが全世界11カ国での多施設で実施可能であり、その有効性が確認された。