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特集急性白血病の新規治療分子標的薬が続々登場、CAR-T療法の開発も進む(5)急性骨髄性白血病(AML)の治療の基本骨格は長年変わらなかったが、わが国でもFLT3阻害薬、IDH1/2阻害薬、BCL2阻害薬などが導入されつつあり、いよいよAML治療のパラダイムが変わろうとしている。急性リンパ性白血病(ALL)でも、抗体医薬のブリナツモマブが再発・難治性B細胞性急性リンパ性に対して承認され、新薬の開発が進んでいる。さらにAMLに対するわが国独自のCAR-T療法の開発も進められている。このように、これまでの停滞を一気に解消するかのように多くの薬剤、抗体薬、細胞療法が急性白血病に投入されている。ここでは、AML、ALL、CAR-T療法の各分野の専門家に、急性白血病治療の最前線について解説してもらった。(責任編集 宮﨑泰司)

AMLに対するCAR-T療法開発の現状
非ウイルスベクターを用いコスト引き下げも

中沢洋三(信州大学医学部小児医学教室)

CD19特異的キメラ抗原受容体(CAR)を用いた遺伝子改変T細胞療法(CAR-T療法)が、わが国でも保険適用となり、治療に難渋していた血液疾患の治療成績の向上が期待される。一方で、コストの高さや安全性の確保など普及に向けての課題も多い。我々は、遺伝子導入に非ウイルスベクターを用いる独自技術でわが国発のCAR-T療法の開発に挑んでいる。CAR-T療法の現状とAML治療への応用の展望を解説する。