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学会レポートCongress Report

JSH2022レポート④ Symposium 3「血液学のcutting edge 2022」第84回日本血液学会学術集会(会長:九州大学大学院医学研究院第一内科教授・赤司浩一氏)が、2022年10月14〜16日、福岡市で開催された。新型コロナウイルス感染症の影響で、第82回、第83回はWeb開催となったが、今回は現地参加とWeb視聴が可能なハイブリッド開催となった。数千人が現地に足を運び、各会場には3年ぶりに多くの参加者が詰めかけ、演者とフロアで活発な議論が交わされた。「Hematopaseo」では、注目のセッションについて紹介していく。

造血器疾患の病態解明と
新たな治療開発アプローチ

分子生物学的な解析により、造血器疾患の病態解明、標的分子に対する治療薬の開発、さらに治療効果を予測するバイオマーカーの検索が進んでいる。Symposium 3「血液学のcutting edge 2022」では、大規模なコホート研究より小児B細胞急性リンパ芽球性白血病(B-ALL)サブタイプの臨床的特徴、T細胞ALLにおける薬剤感受性とT細胞の成熟との関連性、ファンコニー貧血とアルデヒド分解欠損症(ADD)症候群の病態解明、造血器腫瘍におけるRNAスプライシング異常の機序、ALL治療におけるゲノム薬理学の応用について、5人の演者が解説した。