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学会レポートCongress Report

EHA2024レポート⑪ 日本からの演題

2回目同種移植の前処置強度が予後にもたらす影響
慢性GVHDを有する患者にはRICが有用 THE IMPACT OF CONDITIONING INTENSITY ON SECOND ALLOGENEIC HEMATOPOIETIC TRANSPLANTATION FOR RELAPSE AFTER FIRST TRANSPLANTATION (#264)

吉村一樹(自治医科大学附属さいたま医療センター 血液科)

強度減弱前処置(RIC)は、骨髄破壊的前処置(MAC)と比較して非再発死亡率(NRM)を低下させる可能性があるが、それと同時に再発のリスクも高まる。吉村氏は「NRMリスクが高い患者では、2回目の同種造血幹細胞移植(HCT2)においてRICがより適しているかもしれない。しかし、HCT2に関するこれまでの研究のほとんどは、特定の疾患を対象としており、患者数が限られているため、NRMに影響を与える要因を完全に解明できていない。つまり、どのような患者にRICが有効かについてのコンセンサスはまだ得られていない」と述べた。そこで吉村氏らは、数種類の造血器腫瘍の患者を対象とし、HCT2における移植前処置が予後に及ぼす影響をリスク因子ごとに評価した。