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学会レポートCongress Report

EHA2018スペシャルレポート わが国の若手研究者の発表より(3) EHA2018では約2,800の採択演題のうち4割以上が誌上発表のみであったため、口演発表の採択率がとても低く、著名な研究者でもポスターで発表する姿がみられました。ここでは、EHAで初めて口演発表、ポスター発表を行なった日本の若手研究者3名に注目し、ご研究内容とEHA発表後の感想をお聞きしました。

FLからDLBCLへの形質転換を
簡便に判定するための新しい評価指標を提案

七條敬文(国立がん研究センター中央病院 血液腫瘍科)

第23回欧州血液学会(EHA2018)のポスターセッション「Indolent Non-Hodgkin lymphoma-Clinical」で、「New Assessment Index of Clinical Transformation from Follicular Lymphoma(FL) to Diffuse Large B-Cell Lymphoma(DLBCL) in Rituximab Era」というタイトルで発表しました。濾胞性リンパ腫(FL)からびまん性大細胞型B細胞リンパ腫(DLBCL)への形質転換を判定するためには腫瘍生検による病理組織学的診断が必須ですが、生検が困難な患者も少なくありません。本研究では、そのような患者における形質転換を臨床マーカーによって判定することを目的とし、FLの形質転換を簡便に評価できる新しい指標を提案しました。